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2022-12-07 Wed 03:09
前々回 シルヴィアの絶叫を無視して、サンダースピアが３本同時に放たれた。  ：ちょ、いきなりっ！ どぅわっ完全に不意を突かれたものの、大きく転がりながらこれを回避。しかしすぐさま次の攻撃が襲い掛かる。 先ほどの戦闘は単なる遊びに過ぎなかったというのが、壁際に避難し戦闘を眺めるらびーにはよくわかる。 らびー達との戦闘時と違い、シルヴィアに対してローズは一切の呪文詠唱を行わない。彼女の本気度が窺えた。 無詠唱により速度と呪文の秘匿という二つのメリットを得られるが、通常は精度と威力が落ちる。 しかし彼女は詠唱時と変わらない規模で次々と魔法を繰り出すことができる。大魔法使いたる所以の一つだ。 そんな強大な魔法使いによる、火・毒・氷・雷・聖属性の様々な攻撃を身一つで回避し続けるシルヴィア。 髪の先や服の裾を焦がし、裂かれつつも  ：ちょっと、部屋……！と、まだ周囲を気に掛ける余裕があるようだ。 ローズもそれを感じたのか、さらに攻撃の手を強める。 英雄ルミナスが扱うような魔力の球を一つ、二つ……計四つ。聖属性を除く四大属性の魔力を集約した高エネルギー体が主人を護るように周囲に浮かび上がった。 手にした杖をシルヴィアへ向けると、その球体からも魔法が迸り、ローズの魔法と併せて追撃をかけはじめた。 ：ねぇぇぇぇ。それガチのやつぅぅぅたまらず悲鳴をあげているものの、それでも攻撃を躱し、弾き続けている。反撃はまだない。  ：おねえちゃん、館のことなら心配いらないですからね～ ：あ、そうなの？ ならよし任せろ、覚悟しろー！激しい攻撃を繰り出しつつローズが呼びかけたことで、どうやら懸念は払拭されたようだ。一気に彼女の動きが変わった。 シルヴィアが魔法攻撃の間隙を縫いながらするするとローズへ接近する。いつの間に取り出したのか、手にはそれぞれ青く光る短剣が一振りずつ。 その勢いのまま、身構えるローズへ躍りかかった。 短剣による怒涛の連続攻撃がローズへ襲い掛かるが、先ほどのシルビアとの戦闘時のように、杖一本でこれを捌く。 魔法による身体強化も行っているが、それを抜きにしてもローズは魔法以外の戦闘センスも高いのだ。 それでも本気を出したシルヴィアの動きはとてつもなく速く、少しずつ押していく。それを押し戻そうと、周囲の魔法球から魔力が噴出する。  ：むん、ダークフレア！シルヴィアはそれらを巨大な手裏剣型結界で弾き返した。そして巻き起こる爆発。 その爆炎の中からきらりと光る小さな塊がいくつかローズめがけて飛来する。 次の攻撃を予測したローズは咄嗟にこれを回避……しようとしたが、さらに伸びてきた鎖が杖に絡みつく。 その瞬間、小さな塊―メルが光を放ち膨れ上がった。 ：メル！ エクスプロージョンッ！ローズの周りで小爆発が湧き起こる。規模こそ小さいが、そこに込められた魔力量は凄まじく、威力はかなりのものだ。 しかしローズはシールドを展開しつつ杖を放棄しテレポートでこれを回避した。そう簡単には彼女もやられない。 さらにテレポートで距離をとり、この戦いで初めて呪文を詠唱した。 構えるシルヴィアに、途端に強烈な負荷がのしかかる。拘束系呪文の一つだ。精度を高めなければシルヴィアの動きは封じられない、ということだろう  ：重力魔法……きつ……好機にローズが追い打ちをかける。 集中し、全身の魔力を高めていく。周囲の魔法球が輝きを増しながらシルヴィアの方へ移動し、頭上に一つ、足元に三つ、三角錐を形成するように取り囲んだ。 それぞれの球から光が伸び、繋がり、シルヴィアを中に閉じ込めた。  ：決めますよ！ トライアングル・デストラクション！そして結界内に四大属性の魔法が吹き荒れる！ ：あああああああああ響き渡るシルヴィアの苦悶の声。が、しかし ：ああぁぁぁアアアルティメイタムーーー！紫色の光が結界内からピカっと輝き、次の瞬間結界が弾け飛んだ。 結界を破壊した衝撃波がローズのもとまで襲い掛かる。 ：くっ。身体強化して拘束を解除し、カルマフューリーで無理やり突破しましたか息を荒げるシルヴィアだが、即座に動きだす。 ：サドンレイド、一点集中！！通常は全周囲に火矢を放つサドンレイドを、全弾ローズに向けて発射する。 下手にシールドで受けても突破される可能性が高いと判断し、テレポートでの回避を選んだローズだが…… 移動先を見切っていたシルヴィアが即座に斬りかかっていた。 対して、炎の魔法を繰り出し勢いを削ごうとするが ザバァーーーーーーー 突如、空から大量の水が降り注ぎ魔法をかき消した。  ：な、なんです……！？思わず、宙を見上げるローズ。そこにあったのは…… ：ミスティックドア……！ パサーブルスキル！？このギルド連合本部は海に近い場所にある。シルヴィアはミスティックドアを海中の適当な座標に繋ぎ、海水を流し込んだのだ 不安定な座標に召喚された扉はすぐに消えてしまい、海水の流入は止まった。 これにはさすがのローズにも隙ができてしまった。 ：エルダノヴァ！絶対に逃すまいとエルダでがっちりと全身を締め上げる。テレポートも実行できない。 魔力での拘束であれば魔力量で圧倒的に上回るローズなら簡単に解除できるのだが、エルダの扱いではシルヴィアには敵わない。 つまり……回避は不可能。 ：くらえ、ソニック・ブレイドストーム！ソニックブローの速度にブレイドストームを載せるという荒業。圧倒的な速度と手数で敵を葬る必殺の一撃だ。 これをまともに受けては流石のローズも耐えられない。 攻撃が届く寸前でぴたりと刃が止まり、ごくりとローズの喉が鳴る。  ：私の勝ち。いいよね？シルヴィアがニヤリと笑った。 勝敗は決した。 ：あﾞーーー、疲れた。なんで私がローズと戦わないといけないのさ…… ：えへへ～。たまにはみんなの力量の確認も必要じゃないですか？：だからと言ってさー、もー、びしょびしょだし、熱いし痛いしところどころ焦げてるし。めっちゃ本気だったじゃん：びしょびしょなのはおねえちゃんがわるいんですよ？：だってぇ～～ ：ね。そんなことより、はやく部屋を修復しましょ。ひどい有様よ……：あー…そうですね。ちょっと張り切りすぎちゃいました。それじゃ……いちにの、はい ：わ、すごい。完全に元通り……：これで文句ないですね ：すごいなぁローズさん。それに勝っちゃうマスターも：えへへぇ？ かわいい？ ：はいはい、かわいいかわいい：よっしゃぜ！：というわけで、はいおねえちゃん。アップルパイは返します：そうだったそうだった。これだけのために戦ってたんだった……：よーし、それじゃあいただきまー ：おーすただいまー ：あ、おかえんなさい ：お、何だそれ。ケーキか？：アップルパイでーす！ お友達が焼いてくれたんですよ！：へーいいじゃん。俺にもくれよ～：だめです！ これは私にくれたので私が勝ちとったので！ ：ケチ臭いこと言うなよ、半分でいいからさ しゅばっ、しゅばばば ：あっ：ふっ、もーらい。じゃあ半分……あっと ：明らかに半分じゃない割れ方したわね：……じゃあこっち返すよ ：明らかに小さい欠片を返しましたね：私の……アップルパイ…… シルヴィア 必殺技名は口に出すタイプ シャドー・ナイトロードの技能もマスターしている 暗黒の魔法使いを倒した実力は伊達ではない 圧倒的な速度と様々なスキルを駆使した接近戦を得意とする ローゼンバーグ 全属性だけでなく現代ではほぼ失われているような魔法も自在に扱う 武器の扱いにも長けており、魔法がダメならと物理で殴ってくる相手を殴り返すことも得意。そういう輩をしばき倒すのが密かな趣味 普段わざわざ詠唱するときは精度を高めて致命傷を与えないことが目的  シエル シルヴィアのマスター 一心同体であり、エルダ量も魔力量も共有している つまりシルヴィアと同じくらい強い…ほんまか？  ルイス シエルのパートナー シエルは彼女にベタ惚れなので頭があがらない よって連合内の頂点となる  アップルパイ 今回のヒロイン 最終的にルイスがシエルから取り上げてシルヴィアに返却された シルヴィア・ローズ・らびー・シルビア・ルイスとグレイシアで仲良く食べたらしい
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ローゼンバーグさんは昔のメイジのスキル、マジックコンポジションの四属性版を編み出していそうだなーなんて思ったりしました。
2022-12-07 Wed 18:52 | URL | グザイ #ZPZR469g [内容変更]
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