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Wishes come true once in a blue moon.

●とある超越者の回顧…
2022-06-09 Thu 00:02

どれだけ運命を見つめ直しても、結末を変えることはできませんでした。

最後の戦いで、対敵者は正しい選択ができなかったのです。

ですが、それは彼のせいではありません。



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時間の超越者は過去や未来を見通し、時間を操り、運命を握る力を持ちます。

しかし、暗黒の魔法使いの力は私を遥かに上回っていました。

彼は膨大な時間や人々の運命すらをも見通し、巧妙にその魔の手を張り巡らし、彼に敵対するはずだった者達を仲間に引き入れ、時には排除し、彼が敗北する運命に連なる道を悉く潰していきました。

そして私自身も闇の勢力に封じられ、時間の力の大半を奪われてしまいました。



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このままでは超越者の力の均衡が崩れ、世界のバランスも崩れてしまいます。

私が見通す未来では、どうやっても暗黒の魔法使いに打ち勝つことができませんでした。

そこで、文字通り視点を変えてみることにしたのです。

私とは違う未来を見つめ、新たな運命を創り出すため、封印される前に新たな超越者となる後継者を創り出しました。

……しかしそんなことが見逃されるはずもなく、後継者もまた、闇の勢力の手に堕ちてしまいました。



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私には運命を変えることはできませんでした。

しかし、後継者は、闇の勢力のもとでずっと戦い続けていました。

蜘蛛の王が支配する偽りの世界の中で、記憶を操作され、飼い殺しにされていてもなお、完全に敵の手に堕ちることはなかったのです。



時間の超越者は不滅者と呼ばれる存在であり、完全に消滅させることはできません。

また、後継者は超越者として覚醒を果たしていないものの、充分脅威となる力をもっていました。

そこで、蜘蛛の王は後継者を倒すのではなく、記憶を奪い、自身の鏡の力で2つの個体に分裂させ、力を半減させた上で懐柔することを試みました。



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後継者は、偽りの世界の中で偽りの使命のために戦い続けました。

その中で徐々に真実に気付き、ついに封じられているもう一方の個体を発見しますが……

そこで蜘蛛の王に敗れ、記憶を消されてしまいます。



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それが、8回。

抜け出すことができないかと思われた繰り返される偽りの世界で、忘れてしまった友に導かれ、9度目の彼は遂に自身の片割れを目覚めさせ、蜘蛛の王の支配から逃れたのです。



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私を封じ込める水晶の中で、私はずっと後継者、そして対敵者を見続けていました。

後継者が自身の片割れを目覚めさせた時、対敵者が自身の分身を生み出しました。

いえ、もしかしたら逆かもしれません。

どちらのきっかけが先だったのか……いずれにせよ、その時。

敗北以外の道を排除されていた世界の運命と未来が、対敵者の選択肢が、二つに分かれました。

一つは……やはり、従来通りの敗北の道。

もう一つは……先を見通せない、か細くて儚い、どんな結果が待っているか分からない道。

それでも……ついに現れた可能性。

その可能性は少女の形をしていました。

後継者は、それをベータと、

対敵者は、それを■■■■■と、

呼びました。



Maple_220607_002806 - コピー



暗黒の魔法使いは、敵対する者達に関しては徹底的に運命操作を試みていました。

9回目のサイクルで、後継者が偽りの世界を打ち破ることも見通していたようですが……

しかし、その瞬間に新たな運命が切り拓かれることは想定外だったようです。




※世界観設定は公式に沿ったものと捏造しまくっているものがごちゃ混ぜになっています。できる限り公式設定を活かしていますが、敢えて無視していることもあります
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