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Wishes come true once in a blue moon.

●とある弓使いの回想…
2022-06-05 Sun 00:02

気が付いた時、私は薄暗い研究所の培養槽の中にいた。

場所の検討はすぐについたわ。

ここはブラックウィングのアジト。ゲリーメルの研究所。



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――鉱山に近づいてはいけない――

これはエーデルシュタインに生きる全ての市民の共通認識。

何故なら、男・女・子供・大人……少なくない数の市民が、鉱山の傍で行方不明になっていたから。

ブラックウィングが市民を攫っている。そんな噂はすぐに広まった。証拠はないけど、確信はある。

もちろん私も気を付けていた、けど……

あのときも子供が一人いなくなったの。



色んなものが置いてある鉱山の近くは、子供達にとっては魅惑の遊び場。

禁止されていた鉱山でかくれんぼをしていた子供達の一人が、いつまで経っても出てこない。

どうしようどうしよう、怒られるから大人には言えない……と、子供達は泣きながら、よく遊び相手になっていた皆の頼れるお姉さんの私に助けを求めてきた。

子供達が怒られようとも大人達に事情を説明すべきだったんだけど、あの時は愚かにも私一人で探しに行って……

そして私も失踪した。



Maple_220604_211002.jpg



そこは人体実験の現場だったわ。

その時に行われていた実験は、人に動物の外見や能力を移植できるか、というもの。

ブラックウィングの首領は兎が好きらしく、「部下を兎のような外見にできれば可愛いくない?」と無茶振りをしたみたい。

で、私達はその最初の実験台。

結果は……成功半分、失敗半分、ってところかしら。

見た目はそのまま。でもそれぞれが実験動物の特徴の一部を受け継いだ。そうね、例えば感覚が鋭くなったとか、夜目が少し利くとか。跳躍力はイマイチね。

首領はこの結果に不満だったようだけど、ゲリーメルは可能性を感じて満足したようよ。

その後も実験を続け、私達には兎以外にもいろんな動物や魔獣の能力を移植されたわ。

……あんまりいいものじゃないから皆には隠してるけどね。

そしてその成果をもとに、幹部たちは様々な身体強化を施されたみたいね。

もちろん、首領の求める結果も出せたみたいで、だからブラックウィングの下っ端には兎人間が多いのよ。



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そうしてそれなりの月日が流れ、しぶとく人体実験に耐えていた私も遂に限界を迎えそうだった。

ゲリーメルがアンドロイドの研究に本格的に着手したこともあり、用済みの私は処分されそうになったんだけど……

そんなときに、ブラックウィングの内部潜入調査を行っていたマスター達に救い出されたってわけ。

その後しばらくの間、レジスタンス組織で色々とお世話になったあと、私は彼らに合流したわ。



Maple_220604_213627.jpg



いつも文句言ってばかりだけど、これでもちゃんと恩を感じてるんだから。




※世界観設定は公式に沿ったものと捏造しまくっているものがごちゃ混ぜになっています。できる限り公式設定を活かしていますが、敢えて無視していることもあります
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